私たちは正しい知識を持って、誤った治療法を選択しないようにしなければならない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

レビュー

 2020年4月時点において、新型コロナウイルスの感染が世界を震撼させている。世界規模のパンデミックは、私たちの生活に深刻な被害を与え、混乱を引き起こしている。それにしても、なぜこれほどまでに新型コロナウイルス感染症が広がったのか。そしてどんな対策が有効なのか。情報が溢れすぎていて、何を信じてよいのかわからないという読者も多いのではないだろうか。

 本書『免疫力を強くする 最新科学が語るワクチンと免疫のしくみ』は、新型コロナウイルスの蔓延が広がる前に、免疫学者の著者が感染予防のために「私たちができること」について記した書籍である。からだがもつ免疫のしくみ、ウイルス感染のメカニズム、さらにはがん免疫療法といった最新の免疫療法の可能性と限界について、科学的なエビデンスをもとにわかりやすく解説されている。一読すると、免疫のしくみやワクチンの有効性に対する理解が深まることだろう。

 本書を執筆した背景には、近年増加しつつある免疫力増強を謳う健康食品やワクチン不要説への懸念があるようだ。それらの多くは科学的なエビデンスに欠けていることが多い。私たちも正しい知識を持って、誤った治療法を選択しないようにしなければならない。