ロックダウン(都市封鎖)で雇用が犠牲になっていることは間違いない。5月に米国の就業者数が増加したことを考えると、言うまでもないことのように思えるかもしれない。エコノミストによると就業者数の増加は、一部の州で新型コロナウイルス拡大に伴う企業への制限措置が緩和されたことと、従業員を再雇用した企業に政府が資金を提供していることによるものだという。実はロックダウンの経済的コストは、新型コロナウイルスの世界的流行が始まったときから議論されてきた。感染を避けるため多くの人が自発的に自宅にとどまったり、他人と距離を取ったりしため、法律で義務付けられたソーシャルディスタンシング(社会的距離の確保)にどれほどの効果があるか、分からない。ひょっとすると、ロックダウンを行わず、今より多くの人がウイルスに感染しても、今と同じようなソーシャルディスタンシングを実施すれば、命と生活は一方のために他方が犠牲になることはないのかもしれない。