中国が自国の利益を増進させるため、世界各地の中国人コミュニティーへの影響力拡大を模索していることが、新たな研究で明らかになった。民主主義国家は警戒を強める必要があるとしている。無党派の豪シンクタンク、オーストラリア戦略政策研究所が公表した報告書によると、中国共産党傘下の中共中央統一戦線工作部(UFWD)は、数千の組織に影響力を駆使して、情報の収集や技術移転の促進、反体制派の抑制、中国当局が掲げる目標への支持集めといったことを行っている。UFWDは諸外国の中国人コミュニティーや現地のエリート層に影響を与えることに注力しているという。中国当局は過去数十年にわたりUFWDを活用してきたが、習近平国家主席は世界における中国の影響力拡大を目指し、同組織の責務を見直した。