今週開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、5月の米雇用統計が大きく上振れしたことで、米連邦準備制度理事会(FRB)が有意義な経済見通しを示すことが一層難しくなりそうだ。5日公表の雇用統計は、非農業部門就業者数が約800万人減との市場予想に対して251万人増加。19.5%への悪化が見込まれていた失業率も14.7%から13.3%に改善した。予想と実績のかい離は、経済が直面する異例の状況(新型コロナウイルス封じ込めに向けた強制的な営業停止)がデータを正確に見極める作業を困難にしていることを如実に物語っている。最新の四半期「経済予想サマリー(SEP)」を公表するFRBも、民間部門のエコノミストらが雇用統計で経験した予測の難しさから逃れられないだろう。