「旅行にはお金がかかる」という通説は嘘

 ふたり分の旅行保険の費用1750カナダドル(ひとり当たり年間875カナダドル×2)を加えて、合計で年間3万879ドル、つまり4万143カナダドルかかりました。

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 旅行にはお金がかかるという通説は嘘だったのです。滞在場所をお金のかかる地域(英国、西欧、日本など)とかからない地域(東南アジアなど)に分けることで、1日の支出はひとり当たり平均42ドルで済みました。

 Airbnbやホテルに泊まり、外食するときもあれば自炊するときもあります。

 ボストンでの新鮮な牡蠣やロブスター、タイでの4日間のスクーバダイビングのライセンスコース(宿泊費を入れてひとり当たり250ドル)、カンボジアでのスクーバダイビング(2回のダイビングでひとり当たり80ドル)、スイスアルプスでのハイキング(ひとり当たり87ドル)、日本の神戸牛(ひとり当たり48ドル)など、ときどきぜいたくを織り交ぜても費用はそれだけです!

 私たちは東南アジアを旅先に組み入れることで費用を抑えました。東南アジアは気候がすばらしいだけではなく、物価も最高です。

 例えばタイのチェンマイでは、ジム、サウナ、プールつきの新築マンションでワンベッドルームの部屋を借りました。家賃は月470ドルです。1テーブルに並べられた(そうです、テーブルが料理を数える単位です)できたての蒸した魚介料理の値段がひとり当たり12ドルでした。

 チキンパッタイ1皿の値段? 1・25ドルです。

 1時間のオイルマッサージ? チップを含めて10ドルです。

 年間1万2000~1万5000ドルでまるで女王様のような生活ができると知ってから、私はいつかタイを出国する日がくると考えるだけで憂鬱でした。

 同じようにベトナム、マレーシア、カンボジアでも、私たちは1つ星の値段で4つ星のライフスタイルが味わえるという経験の虜になりました。

 もし世界旅行を計画したいけど、予算が厳しいと思っているのであれば、東南アジアを旅先に加えましょう。東南アジアに滞在する期間が長いほど、予算が足りなくなるリスクは抑えられます。

 債券はポートフォリオ全体の変動幅を抑えてくれますが、東南アジアは旅のポートフォリオにおける債券のようなものです。費用を均してくれるのです。そのほかメキシコなどの中南米、東欧、ポルトガルなどの物価の安い地域も同じ効果を持ちます。

 世界を旅行するために仕事を辞めて3年が経ちました。幸いなことにいまでも毎日が新鮮で、ワクワクし、冒険に満ちています。

 いまでは私たちは熟練のノマド(遊牧民)で、旅の費用をさらに抑えられるようになりました。昨年は年間でたった3万6000カナダドルしか使っていません!

 私たちのポートフォリオは年間4万ドルの収入をもたらしてくれるので、所得がなくても世界を旅行するだけで4000ドルがもらえる計算になります!

 いったい私は何をあれほど恐れていたのでしょうか?

(本原稿は、クリスティー・シェン、ブライス・リャン著『FIRE 最強の早期リタイア術』〈岩本正明訳〉の内容を編集・加筆して掲載しています)