突然始まった母の在宅介護で「老後計画」が崩壊、60代夫婦を襲う将来不安
介護に関する支出でお金の使い方が大きく変わってしまう人も少なくありません Photo:PIXTA

 いつか来るだろうと考えていても、それが突然現実のものとなったらやはり戸惑ってしまうのが、「親の介護」です。今まではなんとかやりくりできていた家計も、介護にかかる支出が増えて状況が激変するということがあり得ます。想定外の支出にどう対応すればいいのか、そうしたお悩みをよく聞きます。

同居母の在宅介護でかさむ支出
60代夫婦の老後計画に暗雲

 例えば、再雇用で働くAさん(63歳)の場合です。現在Aさんは雇用延長で働く妻(61歳)と自分の母親(87歳)、息子(33歳)の4人で暮らしています。

 1カ月の収入は夫婦の収入と息子が入れてくれるお金、母親の年金を合わせた40万円を超える金額です。住宅ローンは完済しているので、食事や旅行などにお金をかけて定年後の暮らしを楽しみながらも、家計は黒字を保っていました。わずかですが、貯金もできていました。

 ところがある日、母親が玄関先で転倒、骨折してしまい、入院することになってしまいました。無事に退院することはできましたが、以前のように自由に動くことができず、車いすやつえが必要な生活です。加えて、入院生活により認知症の症状も出始めました。結局、母親の状況は要介護2と認定され、介護サービスを受けながら在宅介護をすることにしました。

 介護認定を受けると、介護度に応じて受けたサービスの利用料が給付されます。要介護2の場合、利用限度額は19万7050円で、自己負担額は1割。介護で支出が増えても、ある程度の補助が受けられるので何とかなるだろうと、Aさんは安易に考えていました。