ルーサー・ホール刑事は2017年、米中西部のセントルイスで発生した抗議活動に、私服警察官として潜入していた。すると、暴動鎮圧用のフル装備をした警官数人に取り囲まれた。裁判所の資料によると、黒人のホール氏は警官の命令に従って地面に伏せようとしたが、それより先に警官の1人がホール氏の体を地面にたたきつけた。ホール氏は勤続22年のベテラン刑事だ。白人警官たちに殴る蹴る、警棒で打つといった暴行を受けた後、機動隊員の1人がホール氏であることに気づいて同氏を現場から追い払ったという。米連邦捜査局(FBI)の宣誓供述書によると、ホール氏は後に捜査官らに対し、同僚の警官から「(1991年に警察官に暴行を受け、ロサンゼルス暴動の発端となった黒人男性の)ロドニー・キングのように痛めつけられた」と語った。