米個人消費に空いた大きな穴はまだ消えていないが、それほど深くはなくなった。商務省が16日公表した5月の小売売上高は前月比17.7%の大幅増となった。市場予想を上回る伸びとなったほか、14.7%の急減となっていた4月のマイナス分を帳消しにした。背景には新型コロナウイルス感染防止に向けた制限措置の緩和や、パンデミック(世界的大流行)下で営業を続ける方策を企業が見いだしことに加え、国民が景気刺激策による給付金を受け取ったことがある。それでも小売売上高は、新型コロナへの懸念が広がる前の2月の水準をなお7.9%下回った。また小売売上高には、理髪店や映画館、歯医者といった多くのサービス支出が含まれていない。こうした分野の多くはコロナ流行によって特に大きな打撃を受けている。統計に唯一盛り込まれているサービス分野(レストランやバー、その他の外食サービス)の売上高は29%増加したものの、2月の水準を依然として41%下回っている。
米小売り好調、先行きなお不透明
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