中央銀行や政府による空前の規模の刺激策が広く導入されているにもかかわらず、投資家はインフレ低迷が続くと確信している。今回も2009年以降に起きた事と同じ事が起きると想定しているのだ。当時の緩和マネーは消費者物価の押し上げに失敗した。ただ、ここ10年で政治は大きく変わり、とりわけ欧州では、各国政府が中銀の支援なしにマネーを創造する新手法を見いだした。新たなインフレ時代が近づいているのかもしれない。そうだとすると、市場は完全に間違っていることになる。インフレには2種の典型例がある。単純な例の方は分かりやすく、良好に機能している現代の諸国には恐らく当てはまらない。その方法とは、中銀が政府に資金を融通することだ――実にお粗末である。ジンバブエ、ベネズエラ、ワイマール共和国、もうお分かりだろう。つべこべ言わずに金を買うことだ。
インフレ時代は到来するか、市場は無防備
銀行に確実に融資させる方法を政府は見いだしたのか
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