――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  米国の対中関係が悪化したと思うなら、オーストラリアと中国の関係はどうか。  オーストラリアのスコット・モリソン首相は4月、新型コロナウイルスの発生源を巡る国際調査を呼び掛けた。調査の標的とみられる中国は、すかさず報復に動いた。豪産大麦に80.5%の関税を課し、豪食肉企業4社からの牛肉輸入を禁止。中国国民に対し、オーストラリアへの渡航自粛を呼びかけた。中国国営の英字紙「環球時報(グローバルタイムズ)」はオーストラリアを「米国の犬として立ち回る巨大カンガルー」と呼び捨てた。