中国とインドの国境地帯で15日に起きた衝突は数十年ぶりの惨事になった。何が原因なのかは確認できないが、大きな構図ははっきりしている。中国による周辺地域への威圧が強まる中で、中印間の緊張が高まっているということだ。両国はこれまでヒマラヤ山脈にある係争中の国境地帯に何千人もの兵士を送り込んできたが、15日夜に衝突が起きたのは「緊張緩和プロセス」が進行しているさなかのことだった。銃器は使用されなかったと伝えられているが、インド政府によれば少なくとも20人のインド兵が死亡した。中国は自国側に死者が出たとは認めていないが、数時間にわたる高地での接近戦で何人かは死亡したと思われる。