「いつも、考えすぎて損してばかり!!」
日本人は礼儀正しくて、とても優秀……なのに、日々必要以上に思い悩んでいないだろうか?
“究極の合理思考”を身につければ、もっと楽しくラクになる」――。数十億規模の案件に関わり、インド人部下オペレーションを経験したインド麦茶氏は、「常に自分中心」「短期志向」「無計画で今を生きている」ように見える彼らに「日本人が幸せを謳歌するための“ヒント”」を見出したという。
新刊『インド人は悩まない』では、人口14億・上位1%が富の40%以上を所有する超競争・過密・格差社会を生き抜く人々の「規格外の行動力」と「抜け目なさ」の秘密を紹介している。今回はその魅力の中から一部をお届けする。(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)

Photo: Adobe Stock

金、買うべきか?

今、巷は空前のゴールド(金)ブームで、貴金属の専門店である「田中貴金属」銀座店にはゴールドの現物を買おうとする人々が長蛇の列を作っているという写真がSNSで話題になった。
ゴールドの現物を持つことになんの意味があるのか?と思う日本人も少なくない。投機的な意味でゴールドの先物を買うならまだしも、現物という非常に不便な形でゴールドを保有することは、所有欲以外は満たされないと思う方も多いだろう。

しかし、果たして本当にそうだろうか。

もしあなたがインド人らしき旅行者を日本の街中で偶然見かけたら、指や手首を見てみるとよい。おそらく、大きなゴールドの指輪や腕輪などのアクセサリーをしているのが目に付くはずだ。女性はもとより男性も、日本では危ない道の人が付けているようなギラギラ光る純金の指輪を付けているインド人は多い。インド民はゴールドの現物がとにかく大好きで、インド現地でもゴールドを専門にしたジュエリーチェーンはいつでも盛況だ。

「どいつもこいつも信用ならない」インド人の考え方

彼らが現物のゴールドを好む理由の一つには、「どいつもこいつも信用できない」という彼なりの歴史的・経済的な考え方と合理性がある。実際にインド政府は突然高額紙幣の使用を停止することがあるし、銀行にお金を預けていても、急に銀行側の意味不明な事情で引き出せなくなる時もある。インドの現地で生活しているとこういったトラブルが日常的に起きる可能性を肌で感じることができる。

日本人は、個人の家計の現預金比率が約50%もあり、政府と銀行に全幅の信頼をおいている国民だが、今、物凄い速さで価値を落としている日本円という「法定通貨」も、輪転機から作り出された紙にしかすぎないと思うと、インド民の気持ちも徐々に分かってくる。
政府も銀行も信用できなければ、世界的に価値が保証された数少ないものは現物のゴールドだ。当然先物や純金積み立てなどのバーチャルな存在ではなく、いざというときに持ち運びが容易で、すぐに使える現物のゴールドが与えてくれる安心感は力強い。

健全な「疑う能力」が幸せを守る

政府さえも信用できない世界で生きているインド民の、「物事を疑う能力」は、非常に力強い。当然、赤の他人が言っていることなど最初から疑ってかかるし、そのような習慣が身についていないと、インドでは容易に収奪の対象になってしまう。

インドほどではないにしろ、日本の日常の中にも、あなたの幸せを奪う小さな嘘や、人生を狂わせてしまうような大きな詐欺や犯罪は蔓延している。インド民と対峙する中で磨かれる「物事を疑う能力」は、世界のどこで経験するよりも有益な経験を与えてくれる。本書『インド人は悩まない』では、インドで磨かれた「物事を健全に疑う」考え方を日本でも使える形で体系化し、あなたの幸せと利益を守る習慣としてご紹介している。

(本記事は『インド人は悩まない』に関する特別な書き下ろし原稿です)