新型コロナウイルスの感染拡大で、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)は投資家に忘れ去られてしまったが、それも致し方ない。とはいえ、グローバリゼーション最盛期を過ぎた世界のテストケースとなる経済国を観察する価値はある。英国は1月にEUを離脱したが、今年いっぱいはEU単一市場と関税同盟にとどまる。ボリス・ジョンソン首相とEU当局者は今週に入り、この移行期間を延長しない方針で合意した。つまり、来年へ向けた貿易合意は10月31日までに交渉しなければならない。新型コロナがパンデミック(世界的大流行)となる前でさえ、これは厳しい期限だった。ビデオ会議は遅々として進まず、「合意なき」結末を迎えるリスクが忍び寄る。英ポンドはユーロに対し年初来6%安となっているが、今後数カ月は激しい値動きになるかもしれない。
英EU離脱、新型コロナで状況一変
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