――筆者のウォルター・ラッセル・ミードは「グローバルビュー」欄担当コラムニスト ***  幾つも危機が毎週のように襲来し続ける中で、ドナルド・トランプ氏の米大統領任期は、すでに疲弊し切ってはいないとしても、疲弊期に入ってはいるようだ。乾燥した大地を渡るハリケーンのように、トランプ政権は、好ましからざる状況下で渦を巻いて回転し、次第に勢力を弱めているようだ。トランプ氏の国内および海外での影響力は、彼の目標への賛同や彼の手法への称賛よりも、彼に反対した際に受ける打撃への恐怖を背景としている部分が大きいため、彼の政治的立場の弱体化は、外交面の権威の低下につながっている。