米カリフォルニア工科大学(カルテック)の地震学者らは2018年、カリフォルニア南部カウィア付近で立て続けに起きた小さな地震について複数のメールを受け取った。地下でいま何が起きているのか? この揺れはいつまで続くのか? といった質問がつづられていた。科学者たちはこれを機に、衛星から送信されるデータを調べたほか、震度や地殻のひずみを測定するさまざまなセンサーにも注意を向けた。カルテックと協力する米地質調査所(USGS)の地震学者エリザベス・コクラン氏はこう語る。当初の分析では何も成果がなかった。そこで同大学の地震学者で、人工知能(AI)を用いたデータ解析が専門のザッカリー・ロス助教は、自身が書いたAIアルゴリズムにそれらの測定値を入力することにした。