ここでDMCの歴史について補足する。

 1983年に事業破綻したDMCだが、9000台の既存オーナー向けとして、パーツ販売事業のニーズがあった。1985年、英国人のステファン・ウェイン氏はそうした事業を「デロリアン・ワン」として起こした。1995年、ウェイン氏は同社を、ヒューストンを本拠地としたデロリアン・モーター・カンパニー(新生DMC)に再編。それに伴い、旧DMCが所有していたデロリアンに関する全ての部品と書類を買い取った。2002年、新生DMCは現在の工場施設を設立。従業員は15人、事業のほとんどはレストレーション(大規模な修繕)で、予約は6ヵ月待ちだ。

DMC(デロリアン・モーター・カンパニー)修理工場の様子。完全修復は現在、6ヵ月待ち。Photo by Kenji Momota
DMC本社内の在庫を管理する倉庫。1981年生産当時のオリジナル部品が数十万点も。Photo by Kenji Momota

 筆者は工場内を視察したが、修理部門はアメリカの一般的なカーディーラーと同様の設備。在庫部門には、ドア等のボディパネル約1000点、エンジン・トランスミッションなど数百点をはじめとする旧DMC時代のパーツに加えて、新生DMCで新たに製造したインテリア部品など、数十万点が整然と管理されている。また社屋2階には、全部品の設計図が保管されていた。

 なお、DMC創業者のデロリアン氏は2005年に他界している。享年80歳。