米国ワシントンDCの米国財務省ビルPhoto:Bloomberg/gettyimages

 国外の投資家がこぞって米社債を購入し、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で混乱に陥った信用市場の回復に一役買っている。

 連邦準備制度理事会(FRB)が米経済の流れを維持すべく講じている措置と、米企業の社債が提供するより魅力的な利回りが相まって、3月下旬以来、アジアと欧州の投資家を引き付けてきた。国際投資家にとって通貨ヘッジのコストが低減したことも需要を押し上げている。

 外国からの購入増加は米社債の上昇を維持し、米企業が社債を乱発している時期にあって借り入れコストの増加を抑える可能性がある。

 社債も株も先週、端緒についた景気回復がコロナ感染急増で危うくなるとの懸念を投資家が抱いた時に揺らいだ。

 ICE BofA U.S. Corporate Indexを構成する投資適格級債券を安全な米国債の代わりに保有することに対して投資家が求める追加の利回りは1.62ポイントに小幅上昇した。このギャップは、投資家が考える社債のリスクを示すが、ピークだった3月下旬の4%強を大きく下回っている。