緊急事態宣言の解除で
銘柄選別の新たな動き
新型コロナウイルス対策として発令された緊急事態宣言が解除され、経済が動き始めた。日経平均株価は2万2000円台を回復し、株式市場も経済活動の再開を好感している。
ここ数ヵ月、新型コロナウイルスがもたらす社会構造の変化が追い風となる業種やテーマに、資金が流入する動きがあった。その中の1つに巣ごもり消費があったが、人々が外出する機会が増え始めたことで、早くも株価の頭打ちの動きがみられる。
ネット動画配信サービスを手掛ける米ネットフリックスの株価は、3月半ばから5月中旬までの2ヵ月で50%超上昇した。外出自粛の動きが拡がる中、同社サービスの利用が急拡大するとの見方が追い風となった。ただ、その後、外出自粛の終了を睨み、株価は5月高値から1割近く下げている。
新型コロナウイルスの感染拡大が追い風になると期待されたものの、現実には追い風にならなかった分野は他にも出てくるだろう。短期的なブームで終わる分野、社会構造の本質的な変化が中長期な逆風となる分野と、反対に追い風となる分野を見極めていく必要がある。
株式市場の投資家は、新型コロナウイルス感染拡大後(コロナ後)の社会変化を見据え、銘柄を選別しているはずだ。投資家の判定を把握するために、まずは東証業種別株価指数33業種における過去3ヵ月間の騰落率をみてみよう。