「まずは80点!」で自分にもメリット
仕事のスピード・完成度がアップ

「まず80点!」のめどを早く立てて、実際に行うことは、自分にとっても小さくないメリットが幾つかある。

 まず、価値があると言えるような多くの仕事は、80点から先の点数を積み重ねることが難しい。他人にはできなかったり、積み上げに手間や資源を要したりすることが多いからだ。このプロセスを締切時間のプレッシャーを受けながら過ごすのは、トレーニングとしてはいいかもしれないが、ストレスフルである。できたら、避ける方がいい。

 また、「何があれば80点を取れるのか?」と早めに考える習慣を持つと、仕事のポイントを見つけることがうまくなる。

 そして、「まず80点!」の地点から、上司や協力を得られる別の他人の加勢を得ることができると、結果的に仕事の完成度を高めやすい。顧客向けのプレゼン資料など、最後の何点かの上積みが決定的な違いになる種類の仕事もあるので、使える人や資源は最もうまく使いたい。

 もちろん、現実には、不測の事態が生じて完成のために十分な時間をとることができなくなる場合もあるし、一人で抱え込むと、自分の仕事が何点に相当するのかについて見当の狂いが生じることもある。「まず80点!」の仕事術は、仕事の結果のバラツキ、即ち「リスク」を抑える上で有効な工夫でもある。

 なお、筆者はこの原稿を書いてみながら、自分の仕事について「日頃から、もっと早くに下書きを書いておくといいのに」と反省したことを付け加えておく。