コロナ禍での流通の「勝ち組」はどこだ――。新型コロナの感染拡大で流通・外食業界でも「勝ち組」「負け組」が鮮明になっているが、その勝ち組の中でも「一人勝ち」を収めているところも少なくない。例えば、食品スーパーでは「業務スーパー」の3~5月の既存店売上高は2~3割は「当たり前」のごとく伸びているし、ドラッグストアのコスモス薬品もこの間、2ケタ以上の伸びを続ける。ワークマンもそうだ。実はそんな一人勝ち企業には意外な共通項があった。(流通ジャーナリスト 森山真二)
巣ごもり消費で
売り上げを伸ばした業務スーパー
今では「業務スーパー」といっても「業務用」ではなく、「誰でも入れる店」ということを知らない人がいないくらい、知名度が上がった神戸物産が展開する「業務スーパー」。コロナ禍の巣ごもり消費で売り上げを伸ばしている代表格といえる。
月次売上高が驚きの数字をたたき出している。コロナの感染拡大が始まった3月の既存店売上高は前年同月比で33.7%増、緊急事態宣言が発令された4月は34.8%増、さらに5月も30.0%増と新型コロナウイルスによる外出自粛が始まって以降、3割超の伸び率を続ける。
食品スーパーでも伸びているチェーンはあるが、業務スーパーほどの伸びを示しているところはない。つまり、この業界で「一人勝ち」なのだ。