新型コロナウイルス流行を受け、米国では4月に企業倒産の波が押し寄せるかのように見えていたが、まだ実際には起こっていない。ウォール街では、そうした状況にはならないと考え始めている人もいる。  コロナ危機は、米国企業に疑いようのない打撃を与えた。外出禁止令と原油価格の急落により、百貨店大手JCペニーやニーマン・マーカス・グループなどの小売業者から、レンタカー大手ハーツ・グローバル・ホールディングスやエネルギー関連企業まで、債務不履行や破綻申請が大幅に増加した。  ただ、これらの企業の大部分はすでに多額の負債を抱えており、コロナ流行前から衰退しつつある業界だった。