昨年、大型台風19号が発生した際に、都内のスーパーから食料品がごっそり消えるという買い占めパニックが起きた。外出しなくて済むように、数日分の食料を一気に買い込んだ人が続出したためだ。そして今年3月25日、東京都が開いた新型コロナウイルスについての緊急記者会見の後にも再び買い占めパニックが起きている。この短期間でなぜ2回も買い占めが起きたのか。その原因は、日本人の防災意識にあった。防災アイテムやコンテンツを作る企業yamoryの代表、岡本ナオト氏に話を聞いた。(清談社 中村未来)
何回災害が起きても
十分な食料を備蓄しない人たち
人々が買い占めに走るのは、心理的な要素が大きく関係しているというが、一方で「家に十分な食料の備蓄を準備していないことも、原因の一つだと思います」と岡本氏は言う。
「地震や大型台風が起きるたびに、備蓄の重要性が訴えられてきたと思いますが、それでも何もしない人は本当に多いです。理由は簡単で、防災のことを考えるのは面倒くさいし、楽しくないから。何か起きたときに考えればいいかと楽観視し、実際に起きた途端、『とにかく食料だけは確保しなければ』と慌ててスーパーに行くのだと思います」