新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による経済的影響で失業した出稼ぎ労働者――南フランスの畑で働くポーランド人の農業従事者から、カリブ海のクルーズ船に乗るフィリピン人に至るまで――は母国に送る現金が尽きつつあり、途上国の脆弱(ぜいじゃく)な経済状態に打撃を与えている。外国で働くインド、フィリピン、メキシコ、その他の途上国の人々が母国に送った金額は昨年5540億ドル(約59兆6500億円)の過去最大に達した。世銀によると、この金額は低・中所得国に対する外国からの直接投資全てを合計したものより多く、外国政府による途上国支援の3倍超にあたる。仕送りの減少は、その資金で食料や燃料、医療費を賄う世界中の多くの人に影響を与えている。南アジアから中南米まで、住宅ローンや授業料が支払えない家庭もある。
途上国への仕送り激減、コロナ余波ここにも
送金が今年20%減るとの試算も、金融危機時の4倍
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