チェック項目(6)
買収した会社の業績情報の非開示

 第六は、買収した会社の業績情報の非開示だ。例えば、買収した会社が赤字会社で連結すると業績悪化が見込まれるのに、その悪化見通しの情報をアラームとして出さないケースなどが考えられる。業績悪化が分かっているのに業績予想に織り込んで出さないのは、社内外のステークホルダーに対して不誠実な対応だろう。

 買収会社の決算取り込みで起こり得る内容としては、のれん償却費の問題が例として挙げられる。買収により、のれん償却費の均等償却によるコスト増加が見込まれるのに、のれん償却費を計上する四半期を迎えるまで情報をあえて開示しない、といったものだ。また、買収した会社の厳しい単体業績を把握しているのに、あえて公表しない、といった対応も起こり得る。

チェック項目(7)
業績予想の未公表

 第七は、業績予想の未公表である。上場企業は、「決算短信」という四半期ごとに出す決算資料の最初のページに、新年度の業績予想を記載するのが通常だ。一部、先行きが見通せない業界(証券業界など)の場合には、非開示とするところもある。20年1〜3月期決算では、新型コロナウイルスの影響で3月期決算の会社の多くが新年度の業績予想を開示しなかった。

 20年7〜9月期においても、未公表のままとする上場企業が引き続き出てくる可能性が高いが、業績予想を開示している会社の方が、引き続き未公表としている会社よりは会社の先行きに対する信用は得られやすいだろう。

チェック項目(8)
業績予想の未修正

 第八は、業績予想の未修正だ。これは、業績予想を既に開示している場合である。20年4〜6月期では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で先行きの見通しが困難として、12月期決算の会社は業績予想を取り下げ、未定にする会社が見受けられた。逆に、先行きの見通しが困難として従来予想を据え置いた会社もある。

 しかし、次の決算においても従来予想を据え置いた場合、半年間、業績予想を修正していないことになる。業績の見通しが読めない上場企業よりは、業績予想を修正して直近の動向に合わせる会社の方が、会社の先行きに対する信用は得られやすいだろう。