朴元淳ソウル市長Photo:Chung Sung-Jun/gettyimages

韓国の朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が7月10日、市内の山中で遺体として発見され、その後、韓国警察により自殺と断定された。次期大統領の有力候補であった朴氏は、なぜ自殺しなければならなかったのか。(国際政治評論家・翻訳家 白川 司)

「ポスト文在寅」と
目されていた朴市長

 元秘書女性から「2017年からセクハラの被害を受けてきた」と告訴された朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が、その2日後の7月10日に亡くなったことが報じられて、韓国社会に衝撃が走った。

 朴市長は告訴された翌日の7月9日の公務をすべてキャンセルして、遺書らしきメッセージを家族に残して失踪。ソウル市内の山中で遺体として発見された。韓国警察は自殺と断定した。ソウル市の運営は徐正協(ソ・ジョンヒョプ)副市長が来年4月の補欠選挙まで受け持つこととなった。

 朴市長は文在寅大統領の「共に民主党」に所属し、人権弁護士として名をはせた市民運動家出身の政治家である。