泉佐野市は18年度に500億円を集め、2位以下を大きく引き離して全国1位になったが、19年2月からアマゾンギフト券を返礼品としていたことが問題になった。

 同市は、法律施行後は返礼品を提供しない旨の申出書を総務省に提出していたが、総務省は過去の“実績”や、法律改正が視野に入っていた時期の市の態度を理由に、除外を決めた。

 これに対して泉佐野市は、この決定を不服として、19年6月、総務省に置かれた第三者機関である国地方係争処理委員会に審査を申し立てた。

 改正された法律の規定に従う意思を表明しているにもかかわらず、改正以前に、法的拘束力のない国の“助言”に従わなかったことを除外の理由にするのは、「国又は都道府県の職員は、普通地方公共団体が国の行政機関又は都道府県の機関が行った助言等に従わなかつたことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない」とする地方自治法(247条3項)や法治主義の原則に反するというのが市側の言い分だ。

 委員会は同年9月、市側の主張を大筋で認め、指定除外の判断に合理性があるか疑問だとして、総務省に再検討を勧告した。

 しかし、総務省が勧告にもかかわらず除外を継続したため、泉佐野市が同年11月に、大阪高裁に決定の取り消しを求める訴訟を起こした(国と地方の間の紛争では、国地方係争処理委員会の勧告に不服がある場合、高裁を第一審とする裁判が行われる)。

 今年1月、大阪高裁は国の決定は、法による委任の範囲内であり、租税法律主義に反しないとして、市の訴えを退けたが、今回の最高裁の判決で、市の逆転勝訴になったわけだ。

裁判官が補足意見で指摘
制度設計の甘さや理念の曖昧

 最高裁は、国の不指定は明確な根拠を欠いており、違法であるという判断を示した。

 ただ、宮崎裕子裁判長 は補足意見で、自治体が受け取るのが「税」だとすれば、その対価を納税者に支払うというのは「税」の定義に反しており、「税」と(返礼があってもおかしくない)「寄付金」という全く異質のものを同じ枠組みで扱うことはもともと矛盾をはらんでおり、法改正によってもそれは解消されないことを指摘している。

 また林景一裁判官も同じく補足意見として、国家全体の税収を上げることなく、国と自治体間で税収をめぐるゼロサムゲームを繰り広げることを前提とする制度に疑問を呈した。

 そのうえで、ことさら返礼品の金銭的な割合を強調して寄付を集めようとする泉佐野市の姿勢を批判し、「ふるさと納税から得られることが通常期待される水準を大きく上回る収入を得てしまっており、…中略…新たな制度の下で、他の自治体と同じスタートラインに立ってさらなる税収移転を追求することを許されるべきではないのではないか、あるいは、少なくとも、追求することを許される必要はないのではないかという感覚を抱くことは、それほど不当なものだとは思われない」と述べ、国の立場に一定の理解を示している。