米国の大企業は3月と4月に打ち出した新型コロナウイルス対策について、状況の打破にはつながらないと判断し始めている。米国では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染の再拡大で一部企業の活動が再び停止に追い込まれ、迅速な回復への期待がしぼみつつある。航空会社から外食チェーンに至るまで多くの企業が、戦略や人員配置の再転換、あるいは既存の転換計画のてこ入れを迫られている。企業は一時帰休を恒久的なレイオフに変更し、コア事業の縮小や生産の無期限削減に着手している。米デルタ航空は夏場の増便計画を縮小し、企業の出張需要はパンデミック(世界的大流行)前の水準に戻らないとの見通しを示した。メキシコ料理ファストフードチェーンの米チポトレ・メキシカン・グリルはスタッフを増やし、テークアウト拡大に合わせて業務を変革している。「ニューヨーク・マガジン」の発行元で、複数のニュースサイトを運営するVOXメディアは、高収益のイベント事業が長らく干上がる中、従業員の6%を削減すると発表した。
逆戻りする回復期待、米企業はコロナ再燃を悲観
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