リティシャ・トーマスさんは11年間勤めた米ノースカロライナ州の田舎町にある会員制量販店「サムズクラブ」が再オープンするとのうわさを聞いたとき、すぐに従業員を募集しているかインターネットの求人掲示板をチェックした。募集はしていたものの、それは従来の再オープンとは違っていた。米小売り最大手ウォルマート傘下で、同創業者の名前を冠したサムズクラブはビジネス形態を変えつつあった。2019年4月に再オープンした建物全体を電子商取引(eコマース)の配送センターに変えた。ここで、サムズクラブ・ドットコム経由で米南東地域から入った注文を受け、商品を梱包(こんぽう)してトラックで他の物流拠点に発送する。トーマスさんはかつて人口2万人の同州ランバートンにあるサムズクラブの店舗で、フォークリフトを操り、深夜に商品管理を行う仕事をしていた。部下8人を抱えるマネジャーとして同店舗に再就職し、フォークリフトの運転はもうしていない。
「小売業界の終末」次の段階に 店舗は発送拠点
新興企業や小売業者、かつてのストアをEコマースの配送センターに転換
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