どれだけおもしろく商品を持ち帰るかにアイデアを巡らせ、たとえば洗濯カゴや手押し車を持ち込んだり、会計後に布を広げて日本の風呂敷のように商品を包んで帰る人もいた。また、大きな水瓶、鳥かご、魚を干すアミなど、ユニークなアイデアがたくさん出て、国内外のメディアでも紹介された。

 しかし、それも落ち着いてくると、現実的に面倒が多いことへの不満がくすぶり始めた。

 一番の問題点は、レジ袋に慣れていたが故に袋を持参することを忘れやすいことだ。

 レジ横などには有料のエコバッグも置いている。タイの場合、サイズによるが安いもので7円程度、中くらいのサイズで35円程度から売られる。安いとはいえ、買い足す回数を重ねればそれなりの金額になってしまう。

 コンビニも気軽に立ち寄ることができなくなった。飲み物をひとつ買うくらいなら問題はないが、ちょっとした夕飯レベルのものを買うとすれば、やはり袋が必要だ。

 混乱は顧客側だけではない。店側も同様で、昨年末まで使っていたレジ袋が余って在庫になっているケースもある。なにより、持ち帰れないほど買ってしまった客にどう対処するかに頭を抱える事態になっている。一人に余っているレジ袋を渡せば、ほかの客にも渡す必要があり、レジ袋廃止の取り組みの意図が瓦解してしまう。

海洋生物の被害報道で
レジ袋廃止を歓迎

 タイがレジ袋を廃止した背景には、海洋生物への悪影響がある。

 タイでは年間およそ450億枚におよぶレジ袋が利用され、そのほとんどが使い捨てられている。一部の報道ではこうした廃棄物を海洋に垂れ流す国としてタイがワースト6位に入るという。

 ウミガメやジュゴンなど大型の海洋生物の死骸が多数発見され、その死因がレジ袋などを吸い込んだことによる窒息などとされた。

 昨年12月10日のタイの報道では、国立カセサート大学水産学部の研究者の発表としてタイ南部の海岸や沖合において、ゴミで死んだとみられるウミガメが数週間で13頭も確認されたという。