ドイツのアンゲラ・メルケル首相が昨秋中国を訪問した際、独決済サービス会社ワイヤーカードの不正疑惑を巡る調査が行われていたにもかかわらず、中国当局者にワイヤーカードを売り込んでいたという。メルケル氏の側近は当時、不正疑惑の調査が行われていることを認識していた。政府関係者が22日、明らかにした。その後経営破綻したワイヤーカードのスキャンダルがドイツ政界に波及する兆しが広がっている。ワイヤーカードは当時、北京を拠点とするオールスコア・ペイメンツ・システムズの買収を計画していた。首相報道官によると、メルケル氏は2019年9月上旬、中国への公式訪問中にこの件に言及した。その2カ月後、ワイヤーカードはオールスコアを約1億ユーロ(約120億円)で段階的に買収することで合意したと発表した。