分譲マンション市場に異変?
着工戸数と供給戸数の差は何故か
コロナショックで新築分譲マンションの供給が減っている。首都圏の供給戸数は4-6月の前年同月比が55%減、近畿圏でも同様に43%減になった。マンション同様に住宅展示場が閉まっていたので、注文戸建も大きく受注量を減らした。
そんな中、分譲戸建が例年並みに販売戸数を増やしている。持ち家市場の地殻変動はコロナショックで加速され、勢力図が激変しているが、この背景には価格・立地・ニーズの変化など様々な事情が影響している。これらを紐解くと、持ち家市場の将来像も見えてくる。
2019年の分譲マンションの着工戸数は、首都圏(1都3県)で6万0559戸だった。これに対して分譲された供給戸数(不動産経済研究所調べ)は3万1238戸と52%に過ぎない。同じく近畿圏(2府4県)でも、着工2万5655戸に対して、分譲された供給戸数は1万8042戸と70%に過ぎない。通常、着工すると販売を始めるのだが、この差分住戸はどこに行ったのだろうか。
この差分は、実は賃貸マンションになっている。分譲マンションは、着工における区分は分譲かつ共同住宅の戸数を指す。ここでの分譲とは区分所有で売ることに限定されているわけではない。1棟で売却されるケースも含んでいて、その場合は主に投資家に賃貸住宅として売っている。
デベロッパーは開発計画を立てて最終的に売ることになるのだが、マイホームとして売った数が首都圏では着工戸数の5割、近畿圏では7割に過ぎないということだ。