転職するか、残って頑張るか
中途半端な「様子見」はNG

 経営者のメッセージや打ち手に対し大きなクエスチョンが付くのであれば、これを機会に方向転換して転職するのもいいでしょう。

 しかし経営者に共感し、一緒に頑張ってみようと決めたのなら、少なくとも一定期間は迷いを捨てて必死で仕事に取り組むことが大切です。中途半端に様子見をしながら仕事をするのが一番ダメなパターンです。

 危機的な状況にその人の本質や本音が表れるとすれば、働く側も本当にその会社で働き続けたいのかどうか、試されている場面であることは自覚しておくべきです。方向転換するのか、残って頑張るのか、いずれにせよ腹をくくって取り組むことが重要です。

 危機的な状況の会社に残る場合は、数多くの困難に直面することになると思います。しかし、修羅場をくぐる経験をすることは、自分のキャリアにとって間違いなくプラスになります。あるエグゼクティブサーチ会社のリサーチ項目のなかには「修羅場経験」が入っています。それくらい重視されているのです。

 もっとも本当に修羅場に直面したときは、それが修羅場とは自覚せず、たいていは「うわぁ、どうしよう……」「これ、どうなっちゃうんだろう……」といった心境になるものですが。

 後から振り返ると、その結果がうまくいこうといくまいと、普段は発揮できないような力が発揮され、自分の限界点を上げたり、物事に取り組む際の腹の据わり方に結びついたり、緊急対応の能力が身に付いたりします。これは経営者でも一般社員でも変わりません。

 見方を変えれば、通常では発揮されない力を引き出し、伸ばしてくれるのが修羅場であり、自身のキャリアにとっても大きなチャンスになると思います。

(株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)