FRBの金融政策にも限界がある。米国経済を揺さぶるコロナ禍に対応するため、今後はどう動くのだろうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

米国4-6月期は過去最大の落ち込みも
回復基調が見られる米国経済

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う米経済への影響が甚大だ。新型コロナ感染対策で経済活動が制限されたこともあって、米国の実質GDPは20年に入って2期連続でマイナス成長となっている。特に、先日発表された4-6月期は前期比年率▲32.9%と、1947年の統計開始以来、最大の落ち込み幅となった。

 また、好調であった労働市場も3月から4月にかけて2200万人超の雇用が喪失されたほか、50年ぶりの低さとなっていた失業率も4月は14.7%と、金融危機時にピークであった10%を大幅に超える上昇となった。

 もっとも、2月下旬に動揺がみられた株式・社債市場は、3月下旬から上昇に転じたほか、労働市場も5月には回復に転じた。さらに、多くの経済指標は米国景気が4月を底に、5月には早くも回復基調に転じたことを示唆している。このため、新型コロナの影響による景気後退は短時間に留まる可能性が出てきた。

 このような早期回復の背景は、4月以降に段階的に経済封鎖が解除されたことや、家計に対する直接支援などの経済対策に加え、米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)による、政策を総動員して迅速に緊急危機対応を行った金融政策の成果だと言える。

 実際に、今般の急激な景気後退にもかかわらず、金融危機時のような金融システム不安はみられない。本稿ではFRBの緊急危機対応を振り返るほか、新型コロナの感染再拡大が米景気回復に水を差す可能性も指摘される中、今後想定される追加策などについても考えてみたい。