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ブリヂストンが世界一のタイヤメーカーであることは意外と知られていない。そんなブリヂストンが力を入れているのが、溝がすり減って使えなくなったタイヤに新しい溝を貼り付けて再生タイヤとして利用するリトレッドタイヤ事業だ。中古タイヤと言っても過言ではない。中古タイヤを売れば売るほど、当然新品タイヤの売れる量は減ってしまう。それなのに、なぜリトレッドタイヤ市場に参入し、注力しているのだろうか…?そこには4つの狙いがあった。(早稲田大学ビジネススクール教授 内田和成)

ブリヂストンが積極的に販売する
リトレッドタイヤとは?

 ブリヂストンが世界一のタイヤメーカーであることは意外と知られていない。自動車などの最終製品と違って、タイヤ単独で使われることがないことに加えて、日本では知名度抜群でも海外ではどこまで知られているかが分かりにくいことに起因する。

「ブリヂストンデータ2020」より、ダイヤモンド社作成 拡大画像表示

 2018年度のデータによれば、グローバル市場におけるマーケットシェアは14.8%で世界1位である。ちなみに2位はレストランガイドで有名なフランスのミシュランで13.8%、3位はアメリカのグッドイヤーで8.5%、4位はドイツのコンチネンタルで7.0%となる(図1)。

 その世界一のタイヤメーカーが力を入れているのが、溝がすり減って使えなくなったタイヤに新しい溝を貼り付けて再生タイヤとして利用するリトレッドタイヤ事業だ。中古タイヤと言っても過言ではない。

 中古タイヤを売れば売るほど、当然新品タイヤの売れる量は減ってしまう。世界1位のタイヤメーカーであれば新品タイヤを売り続ければよいと思うかもしれないが、そうはいかない事情がある。