日銀財政赤字が巨額に膨らんでいるが、日本の財政は破綻しない Photo:PIXTA

日本の財政は破綻しない。投資家が日本国債を買うし、10年たてば増税が容易になるし、万が一の時も最後に大逆転が起きるからだ。(経済評論家 塚崎公義)

 新型コロナ不況への対応で、財政赤字が巨額に膨らんでいる。財政赤字を懸念する人もいるだろうから、財政に関する数回のシリーズを組むことにした。今回は、その第4回である。

日銀の紙幣印刷は考えない

 日本の財政が破綻しない理由は簡単である。政府の借金が円建てなので、最後は日銀に紙幣を印刷させて国債をすべて償還してしまえば良いからだ。もっとも、それではハイパーインフレになりかねないので、その選択肢は本稿では考えないことにしよう。

 もう一つの方法は、財産税を課すことである。家計の資産は、金融資産に住宅(住宅ローン差し引き後)等を含めて2600兆円ほどあるから、これに4割ほどの税金を課せば、一気に政府の借金はゼロになる計算だ。もっとも、それでは暴動が起きるから、この選択肢も本稿では考えないこととしよう。

 筆者としては、毎年1%の財産税を40年間課す方法や、相続税率を100%近くにして数十年かけて家計資産を吸い上げる方法などは、検討に値するとは思っているが、それも本稿では触れないことにしよう。