今年1月に中国・武漢から旅行で日本を訪れた中国人夫婦がそろって新型コロナに感染し、入院することになった。異国の地での体験はどう映ったのか。そして、夫婦が語る、日本の病院で最も感動したこととは何だったのか。(『東方新報』取材班)

繰り返しの検査で
陽性が発覚

隔離病室李氏が入院した隔離病室(李文君氏提供写真)

 日本は1月16日、新型コロナウイルスの初めての感染事例を発表した。神奈川県で見つかった武漢に滞在歴のある1人の日本人患者だ。

 この日はちょうど中国の春節休暇が始まる前の晩で、武漢から来た観光団、フリーの旅行客が大量に日本に入国している時だった。その中の幾人かが、日本初の海外から流入した感染者となった。

 李文君さん(仮名。41歳)と董莉さん(仮名。36歳)も春節休暇で日本観光にやってきた、武漢で暮らす中国人夫婦である。夫の李さんは美容院を経営、妻の董さんは保険会社に勤めている。

 2019年秋に日本行きを決め、それから数カ月間、日本での観光を心待ちにしていた。

 夫妻は1月21日に武漢を離れ上海経由で大阪に向かい、その後、北海道観光を楽しんだ。

 東京に着いたのは27日。だが、29日に董さんが発熱したため、翌日に民間の診療所で診察を受けた。