そうしたなかで今後、3業種以外で注目しているのが食品関連事業者だ。食品卸(25件)、食品製造(19件)、食品小売(13件)を合わせると57件にも上る。食品は飲食店やホテル・旅館で提供される料理や土産品などにも使用されることから同2業種との関連性はとても深く、連動的に増加していく可能性が高い。

コロナ感染の長期化で
さらに深刻な事態も

 これまで発生した新型コロナウイルス関連倒産400件の共通点がひとつある。それは新型コロナウイルスが倒産の「引き金」になったことだ。言い換えれば、どの事業者も新型コロナウイルスが発生する前から取引先への支払い遅延、銀行へリスケジュール要請、債務超過といった経営が厳しい状況に置かれ、新型コロナウイルスは倒産の「一要因」にすぎなかった。

 新型コロナウイルス発生前までは順調な業績推移を見せていた事業者については、相応の蓄えがあり、また、緊急融資や銀行からの支援もスムーズに受けられるため倒産に至っていないのが現状といえる。

 ただ、感染終息までの時間が長引けば長引くほど、新型コロナウイルスを「主要因」とする倒産とそれに伴う取引先の「連鎖倒産」が発生・増加する可能性が高まる。そうなると、これまで「点」であった新型コロナウイルスによる倒産の影響が「面」に変化し、国内経済をさらに悪化させる大きな要因になりうる。

 また、感染終息までの時間が長引くほど注意しなくてはならないのが「経営者の士気の変化(低下)」だ。特に経営者一族の意向が強く反映される中小企業においては、周囲の予想に反して「見通しが立たないまま事業を続けても意味がない」「続ければ続けるだけ赤字が増える」と会社の資産劣化を最小限に抑えるためにもあえて事業継続を断念し、倒産や廃業を選択するケースが相次ぐことも予想される。

 果たして新型コロナウイルス関連倒産は2020年にどれだけ発生し、2020年の全倒産件数の何パーセントを占めるのだろうか。引き続きその動向に大きな注目が集まっている。