米百貨店ロード・アンド・テイラーは小売業界の先陣を切って、従業員の持ち株制度を始め、軽食カウンターを導入し、華やかなウインドーディスプレーでクリスマスシーズンを先取りし、新進の米国人デザイナーを大胆に起用した。こうした革新的姿勢は1980年代には鳴りを潜め、かつての高級百貨店チェーンが破産に向かう長い道のりが始まったと、複数の元幹部は話す。3日、194年の歴史を誇る同社はその結末を迎えた。債権者団は10月までに買い手が見つからなければ、同社を清算すると話している。かつて百貨店は小売業界の最先端を行く、胸躍るようなショッピングの聖地だった。最新型トースターからイブニングドレス、それに似合う靴まで、何でもここで見つけられた。だが今や、百貨店は生き残るために戦っている。5月にはJCペニー、ニーマン・マーカス、ステージ・ストアーズが連邦破産法11条(民事再生法に相当)の適用を相次いで申請。ここ数年に縮小または姿を消すことになった大手百貨店の一群に加わった。
米百貨店は生き残れるか、かつての「革新者」の今
欧州や日本の百貨店は同じ要因に直面しながら、より健全な状態にある
有料会員限定
あなたにおすすめ