2021年に懸念される
退職募集ショック

 最後に上場企業の早期・希望退職の募集を、倒産件数と比較する(図4)。

 早期・希望退職の募集が最も多かったのは、国際通貨危機からITバブル崩壊後の2002年の200件だった。次いで、リーマンショック翌年の2009年の196件と続く。

 企業倒産も2002年が1万9087件と、1952年以降で歴代2位を記録する年だった。2009年も1万5480件と年間1万5000件を上回る高水準だった。

 いずれも世界的なネガティブイベントが発生した“翌年”に急増している。この流れに乗ると今回の新型コロナによる“早期・希望退職募集ショック”は、2021年に起きる可能性もある。

 新型コロナ対策として金融機関から資金を調達した上場企業は、判明するだけで202社に達した。借入・調達予定額は10兆163億円で、1000億円以上を調達(予定を含む)したのはトヨタの1兆2,500億円をトップに27社に及ぶ。

 使途は当座の運転資金や下請けなどの取引先支援など、さまざまだが、レジャー消費やアパレル、BtoCサービスなどを中心に、コロナ収束のめどは今も見通せない。そのあおりは原材料や設備の調達先である製造業にも及んでいる。

 新型コロナは、日常の企業活動だけでなく、従事する人の“就労の機会”もむしばんでいく。今後は、これまで以上に幅広い業種を巻き込みながら、企業業績と雇用のにらみ合いが続くだろう。