二木章吉
2学期が始まった早々の9月初旬、給食サービス事業の(株)ホーユー(広島市)が事業を停止した。各地の学校や学生寮、企業、官公庁などで事業を展開しており、事業停止のニュースは瞬く間に全国を駆け巡った。第二のホーユーが出現するのか、給食サービス事業者の現状と課題を見ていく。

コロナ禍で実施された雇用調整助成金(雇調金)の特例措置が今年3月末で終了した。2020年4月分から適用が始まり、厚生労働省の支給決定件数は延べ791万件超、支給総額(速報値)は6兆3507億円に上る。コロナ禍で窮地に立たされた外食やサービス、観光、交通インフラなどを中心に活用が広がった。だが、経済活動の活発化する今、空前の人手不足と賃上げが加速している。莫大な資金でコロナ禍の雇用を支えた雇調金だったが、アフターコロナがその効果をあっさりと覆そうとしている。

10月11日、全国を対象に国内旅行の支援事業「全国旅行支援」が始まった。前回の「GoToトラベル」から約2年ぶりの旅行支援で、行楽シーズンの観光地はにぎわいを見せている。さらに、1日5万人規模に制限されていた訪日観光客の入国制限数も撤廃され、円安も追い風となって再びインバウンド需要に期待が高まっている。感染第8波も懸念されるが、ウィズコロナの動きが進むなかで宿泊業にもようやく明るい兆しが見えてきた。だが、コロナ禍で宿泊業のビジネスモデルは大きく変わった。深刻な過剰債務とコストアップに直面し、期待される客足の回復に対応できるのか。宿泊業はまさに正念場を迎えている。

新型コロナ感染拡大で飲食店、百貨店などの店舗は、休業や営業時間の短縮などを求められた。なかでも飲食業はコロナの温床のような扱いを受け、倒産する飲食店が続出した。その後、国や自治体の支援金が行き渡ると次第に倒産は沈静化したが、水面下で家賃滞納や給料未払いなどの訴訟が増えていることはあまり知られていない。

新型コロナ感染拡大から2年。今秋以降、新型コロナの新規感染者数が全国で急減し、ワクチン2回目接種率も全国で7割を超えた。だが、上場企業の人員削減は2020年に続き、今年も依然として高い水準を維持している。

新型コロナウイルスの影響による業績悪化などで早期・希望退職を募集する企業が急増している。持続化給付金や雇用調整助成金などの各種助成の申請終了も迫り、今年はさらに厳しい状況に陥る可能性が高い。

新型コロナウイルスの影響で景気が悪化する中、早期・希望退職を募集する企業が増え始めている。今秋から来年にかけて、さらに多くの企業が人員削減に乗り出すことになりそうだ。
