「この業界は3年後、伸びている」
皆がそう言いだすときにはもう遅い

 一方、20代後半~30代前半くらいの転職のお手伝いをしていると、「3年後、5年後にこのビジネスが伸びている可能性が高いから」という志望理由を話す人はたくさんいます。ただ、そう言っているときには転職のタイミングとしてはもう遅い、というケースが多いのです。

「これからは御社のように人材紹介業界が伸びると思うので、早めに人材紹介業界へキャリアチェンジしたい」

 以前、そう志望理由を語る人が増えた頃には、業界の成長はもうピークアウトしていました。同様のパターンはネット業界やゲーム業界でもありましたし、SAPのような基幹システムの導入が盛り上がったときもありました。自分では賢く時代の流れを読み一歩先んじたつもりでも、実際には一歩遅かったのです。

 転職を考えるときに時代の一歩先を予想することは決して無意味とは言いませんが、不確定要素もたくさんあってなかなか難しい。エグゼクティブはそういう荒波を乗り越えて現在の成功に至っている人たち。その思考パターンは予測力が武器ではなく、どんな変化が起ころうともその変化に対応していける対応力が武器であることが多いです。

 言い方を変えれば、将来ではなく「今」を重視しているということです。予測して準備したから成功するのではなく、そのときに生まれた変化へ適切に対応する臨機応変さによって成功しているのです。

 一流ビジネスパーソンと呼べるようなエグゼクティブとお付き合いをしていると、仕事も遊びも本気というタイプがほとんどです。皆さん今この瞬間に全身全霊を傾けて集中し、何かのために今の手抜きをしません。それでいながらセルフマネジメントもしっかりしているので、思いっきりプライベートで遊びを楽しんでも、夜更かしをして仕事に影響を及ぼすような様子はあまり見られません。

 もちろん今に集中しているからといって、将来の動向について何も考えていないということではありません。優秀なビジネスパーソンですから、経済動向や業界のトレンドについては当然、目配りをしているでしょう。