連載第2回は、シュリンク業界で年収が900万円から半分にシュリンクしながらも、力強く生きる50代の男性に取材を試みた。

 彼は「二度のリストラ」を受け、ときには労働組合の力を借りて、ときにはかつての知人を頼り、収入の道を模索し続ける。収入減やリストラ、失業が多発する今、まるで雑草のように、柔軟でしぶといエネルギーを持つこの男性からは、私たちが見習うべきものがあるのでないだろうか。

 あなたは、生き残ることができるか。


今回のシュリンク業界――眼鏡

 眼鏡の価格は、1990年代頃まで2~4万円はした。視力などを丁寧に測り、レンズやフレームも調整し、本人の意向も取り入れる、言わばオーダーメイドの商品だった。しかし、バブル経済崩壊後の不況や少子化、コンタクトレンズや視力回復手術の普及などにより、国内の眼鏡需要は落ち込み、メーカーの業績が伸び悩んでいる。

 加えて2000年以降、低価格を標榜する新規の眼鏡チェーンが続々と市場に参入し、価格破壊が進んだ。レンズとフレームを合わせて1万円以下の固定価格で販売する手法は、大手のビジネスモデルを脅かし、さらに競争を熾烈化させている。

 こうした状況が続いた結果、2004年に6000億円以上あった眼鏡小売市場は、ここ2~3年の間に4000億円近くまで落ち込んでいる。大手を中心に海外展開を図るものの、経営難に陥り、リストラに取り組む企業も出ている。