ミスターとして目指す方向性
かっこよさに正解はない

 ミスターコンのグランプリが決まるのは、学園祭が行われる2020年10月10日の予定だが、コンテストの投票は既に始まっている。篠原さんを含むミスターの候補者たち5人は、SNSやライブ配信などで自己アピール合戦を繰り広げている。

 しかし、篠原さんは自己アピールの場では致命的な弱点がある。元々陰気な性格だと自負している上、容姿コンプレックスが強く、自分の写真をあまり撮ったことがなかったのだ。また、他の出場者のほとんどが18~19歳なので25歳の篠原さんは「性別うんぬんよりも年齢差や陰気キャラの方が気になる」と笑う。

 「私自身はかっこいいにもかわいいにも当てはまらないかもしれません。だけど、アマゾンで走り回れるし、謎の野草も食べられるし、ユニークで違った強さがあります。容姿にコンプレックスがありますが、それを改善するという戦いではなく、向き合い続けてきた執念深さが特徴であり、それこそ私が今回のコンテストで提示したい“かっこよさ”かなと」

 旧来の女性らしさや男性らしさに縛られないでいいという考えは、世間一般でも受け入れられつつあるが、ネット上で目立つ行動をするとアンチや誹謗中傷が生まれやすい。

 篠原さんは、今回はそこまで批判的なコメントをされることはなかったと話すが、もちろん受け入れにくい人たちもいる。

 「動物を研究しているだけの方がよかった、フェミニズムやジェンダー的な方向に行っちゃうのは残念、というようなファンの方はいました。こういう活動が苦手な人はどうしてもいるので、それは仕方がないかなと思います」

 男女という枠組みを考慮しつつ、新たな価値観を提示する今回のミス・ミスター慶應SFCコンテスト。誰がグランプリに輝くかという結果はさておき、篠原さんはその新たな取り組みにおけるシンボル的な存在といえるだろう。

 「自分の意思で自分をどう見せたいかというのを決めていいと思います。自分が正しいと思う価値観を誰かに見せていきたいです」