アパートにゲイ雑誌が落ちているのを見つけた母親は……
1978年生まれ。某名門中高一貫校を経て、某国立大学医学部卒業後、医師免許取得。研修医修了後、精神科医局に入局。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、産業医。精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに常勤医として勤務。2019年6月から本格的に投稿を開始したTwitter『ゲイの精神科医Tomyのつ・ぶ・や・き』が話題を呼び、フォロワー数が急増。覆面で雑誌、テレビ・ラジオ番組にも出演。舌鋒鋭いオネエキャラで斬り捨てる人は斬り、悩める子羊は救うべく活動を続けている。前著『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)は発売即、大反響となりベストセラーに。最新刊は『精神科医Tomyが教える 1秒で悩みが吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)
精神科医Tomy:ボクは基本的に、「自分と合わない人とは距離をとればいいんじゃない?」みたいにアドバイスするんです。すると「親子関係は断ち切れないですよね。どうすればいいんですか?」という話になります。実は、それに対する唯一絶対の最適解はありません。親子関係はそれぞれだから、解決の仕方もそれぞれ違うんです。
もちぎ:Tomy先生の親子関係はどうだったんですか?
精神科医Tomy:ボク自身は、幸いにも親から愛されて育ったので、親子関係ではあまり悩みませんでした。ただ、「こんなに大事にしてもらっているのに、ゲイだと打ち明けたらどうなるんだろう?」というプレッシャーはあって、墓場まで持っていこうと思っていたんです。
でも、実家から独立して、あるとき住んでいたアパートに母親が遊びに来たとき、ゲイ雑誌が落ちているのを見つけてしまった。ちょうどそのとき、付き合っていた人との別れ話が出て混乱していたタイミングだったので、勢いに任せて「男の人が好きです」って打ち明けたら、「どういうことか説明してほしい」と追いかけ回してきたんです。
もちぎ:たいへんな状況ですね……。
精神科医Tomy:その後、母親とは半年くらい関係がすごく悪かったんですけど、ジョセフィーヌ(注:Tomy先生は7年半交際したジョセフィーヌさんという愛称の日本人男性と死別している)と付き合い始めることになりました。
そうしたらジョセフィーヌに「お母さんとは、仲良くしなければいけないよ。お母さんのところへ挨拶に行くから連れて行って」と言われたんです。「えっ?」と思いながらも、言われるがまま挨拶に連れて行きました。それから定期的に3人でスーパー銭湯とか買い物に行ったりするようになり、そのうちにボクと母親の関係が改善したんですね。
ジョセフィーヌがいなかったら、いまだに母親と仲良くできていなかったかもしれない。一時期はボクのなかで“毒親認定”をしていたんですけど、母親に悪気があったわけじゃなく、愛情をかけてくれていたんだと思えるようになった。だから、ジョセフィーヌには、すごく感謝しています。