米大統領選はまだ3カ月先だが、一部のトレーダーは政局不透明感が長引き株式市場に波乱をもたらす可能性に備えている。投資家は政権交代の可能性を前に、通常のヘッジを上回る取引をしている。年内のボラティリティー(変動性)の高まりや、相場急落の可能性に賭けているのだ。ドナルド・トランプ大統領が選挙を遅らせたり、郵便投票を妨害したりしかねず、投票終了後に何週間も選挙結果が分からない状態が続くかもしれないと懸念されている。選挙を巡る不安は、弱い経済や秋にかけての新型コロナウイルスの感染第2波、高値圏にある市場に対し、既に浮上している懸念を増幅させている。気温の低下に伴い感染者が増えると同時に、選挙前後の混乱が既にぜい弱な経済に打撃となり、回復を織り込んでいる株式市場に影響が及ぶと弱気筋は見込んでいる。S&P500種指数は先週14日、3372.85 で引け、年初来4.4%高となっている。3月につけた安値から持ち直し、100日間の実績は1933年以来の好調ぶりだ。