個別株投資とインデックス投資の差は、もちろん「リスク」にある。

 個別株投資の場合、どのような銘柄に投資するかでリスクの大きさは変わる。インデックスファンドの場合は、1年間で投資額の3分の1程度の損を「最悪の場合」と想定しておくとおおよそ悪くない。一方、同じ程度の確率の「最悪」を1銘柄だけの個別株投資に当てはめて想定すると、投資額の3分の2くらいの損を覚悟する必要がある。

 最大損失額でリスクを評価すると、例えば「100万円まで損をしてもいい覚悟がある」人は、インデックスファンドなら300万円投資できるが、個別株1銘柄の投資なら150万円までしか投資できないことになる。

 インデックスファンドの期待収益率が「個別株投資のおおむね平均」であることをぜひ忘れないでいただきたいが、個別株投資がインデックスファンドにいかに大きく劣るかをご想像いただけるだろう。

 なお、通常の金融分析の世界では、「リスク」をリターンの分散で評価する。そのため、細かい計算は省略するが、1銘柄での個別株投資はインデックス投資の2〜3倍くらいの期待超過リターンがなければ「同等の価値」(=同じ期待効用)とは評価されない。インデックスファンドが金利プラス5%の期待リターンであるなら、1銘柄だけの個別株投資は金利プラス10〜15%くらいの期待リターンがあるのでなければならない。

 では、それでも個別株投資をお勧めする理由はなぜか。

 それは第一に、趣味として面白いからだ。第二に、多くの勤労者にとって金融資産の額が本人の人的資本に対して小さいので、投資でリスクを取ることの影響が大きくないことが挙げられる。第三に、「コロナの状況」が趣味としての投資にとって「特に」面白いからだ。

「面白い」が理由であることに共感しない読者は、ぜひインデックスファンドで資産を運用してほしい。個別株運用を行う人とアクティブ運用を行っているプロフェッショナルのたぶん大多数に対して、結果的に勝てるはずだ。