新型コロナウイルスの流行で、米共和、民主両党は伝統的な全国党大会の形式を放棄せざるを得なくなったが、両大統領候補はプライムタイムに全米でテレビ放送される演説でそれぞれ指名を受諾する予定だ。それぞれ数千万人の視聴者を集めるとみられる。最初の討論会が1カ月以上先とあって、党大会はドナルド・トランプ大統領とジョー・バイデン前副大統領にこれまでで最大の観衆を提供することになる。態度を決めかねている有権者に訴えかけるチャンスももたらす。だが、米国の二極化がますます進むなか、「スイングボーター(浮動層)」はまだ存在するのか。確かに存在するが、かつてより珍しくなった。全米国政選挙調査(ANES)が選挙後に実施した調査によると、1948~92年には、連続する選挙で違う党に投票した有権者が平均で18%近くいた。その後は10%未満に低下している。