2020年は、ドイツの社会学者・経済学者マックス・ウェーバーの没後100年に当たる。ウェーバーはちょうど100年前、世界的に流行した感染症(スペイン風邪)に罹患し、肺炎で命を落とした。56歳という若さだった。彼の業績は社会学や経済史に数多く残っているが、大学教官としてのキャリアより、実は編集者としての人生の方がはるかに長かったのである。もちろん、大衆雑誌ではなく学術雑誌の編集者だ。(ダイヤモンド社論説委員 坪井賢一)

新書にしばしば登場するマックス・ウェーバー

マックス・ウェーバー
マックス・ウェーバー(1864年~1920年)

 マックス・ウェーバー(1864~1920年)は日本でずいぶん人気があり、評伝が数多く出版されている。とくに新書で目立つ。没後100年の2020年にも、命日の前月、5月に岩波新書と中公新書から同時に新しい評伝が出て読書人を驚かせた。

●今野元『マックス・ヴェーバー ―主体的人間の悲喜劇』(岩波新書、2020年)
●野口雅弘『マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家』(中公新書、2020年)

 また、過去にも各社の新書で次の作品が出版されている(発行年順)。

●青山秀夫『マックス・ウェーバー ―基督教的ヒューマニズムと現代』(岩波新書、1951年)
●大塚久雄『社会科学の方法 ―ヴェーバーとマルクス』(岩波新書、1966年)
●徳永恂『マックス・ウェーバー 著作と思想』(有斐閣新書、1979年)
●山之内靖『マックス・ヴェーバー入門』(岩波新書、1997年)
●牧野雅彦『マックス・ウェーバー入門』(平凡社新書、2006年)
●牧野雅彦『ヴェルサイユ条約 マックス・ウェーバーとドイツの講和』(中公新書、2009年)
●仲正昌樹『マックス・ウェーバーを読む』(講談社現代新書、2014年)
 
 もっとあったような気がするが、手元にあるのはこれくらい。長年にわたり、これほど新書のテーマとして取り上げられた経済学者はほかにマルクス、ケインズ、シュンペーターくらいだろうが、それでもウェーバーよりは少ないはずだ。