米ロサンゼルスにあるJ・ポール・ゲティ美術館は3月から閉鎖されている。それでもレイチェル・エマーさん(36)は、その所蔵品を数点手に入れ、自身のコレクションに加えた。といっても、エマーさんは泥棒ではない。これはバーチャルな世界での話だ。動画編集者として働くエマーさんをはじめ、任天堂のゲーム「あつまれ どうぶつの森」(通称「あつ森」)をプレーする人たちは、ゲティ美術館のオンラインのコレクションから好きな作品の画像を選び、自由にゲームに取り込むことができる。あつ森は、ロックダウン(都市封鎖)中の巣ごもり生活で大ヒットとなった、独自の島を作れるライフシミュレーションゲームだ。エマーさんは最近、ベルギーの画家フェルナン・クノップフの1885年の作品「ジャンヌ・キーファー」をアップロードした。グレーのコートを着た赤い髪の少女が緑色のドアにもたれかかっている絵だ。この縮小版の画像を島に飾ったほか、少女とおそろいのコートをデザインして自分のキャラクターに着せた。