人体の自然な防御抗体を利用して作られた医薬品がワクチンよりも先に、早期の新型コロナウイルスに対する保護を多くの人に提供できるかもしれない。新型コロナウイルス感染症に対して有効性を示している治療薬は非常に少なく、それも入院患者にしか使われていない。一方、ワクチン候補は、試験が完了し、一般の人に使えるようになるまで恐らく何カ月もかかる。研究者や保健当局者らは、単クローン抗体として知られ、米リジェネロン・ファーマシューティカルズや米イーライリリーが試験を行っている薬が、治療の空白を埋めると期待している。国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は「疾患の速い段階で安全な治療が与えられる必要があり、単クローン抗体はその中で最重要だ。結果が非常に気にかかる」と述べた。